日本で近年有名なアニメ映画監督は?と聞かれたら、「新海誠」・「細田守」のお二人を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?
お二人とも、大人気作品をいくつも手掛けており、新作が上映されるたびに必ず話題となりますよね。
このお二人ですが、「どっちの作品かわからなくなる」「絵が似てる」という意見もよく見られるんです。
アニメ映画で混ざってしまうというのは、絵柄が似ているということなのでしょうか?
それとも、他に理由があるのでしょうか?
今回は、「新海誠と細田守の作品の違いを比較!絵が似てる理由と関係性を調査!」というタイトルで作品の違いや関係性を比較・調査していきます!
Contents
新海誠と細田守の作品の違いを比較!
竜とそばかすの姫を観た
毎回家族がテーマの細田守
今回は家族の歪な形を描きまたもや仮想世界と現実がリンクする構成だったが仮想世界でバズった主人公の使い方が下手で必要のないキャラクターも多く散漫な印象を受けたがエンタテインメントと割り切れば面白かった
やはり新海誠との才能の差は感じた— ニンポー (@pq8Zc) October 1, 2023
さて、冒頭でも触れましたが、「どちらがどちらかわからなくなる」ということは、新海誠と細田守の作品は似ているのでしょうか?
その場合、どういった関係があるのでしょうか?
早速作品の違いを比較検証していきましょう。
作風の違いは?
日本のアニメーション映画も良いですよねえ~(★‿★)特に、新海誠監督と細田守監督の作品が好きですね(^^) pic.twitter.com/Dl3SUWFZSM
— 映画好きと繋がりたい〆MKTatsuki(映画垢) (@PXgG4w69UMHY70K) March 1, 2021
作画(絵)部分については詳しく後述しますので、まず、作風の違いを見てみましょう。
作画以外のストーリーの展開や話の内容・傾向に関しては似ている部分はあるのでしょうか?
早速比較・検証してみましょう。
①物語の展開
新海誠は「決められた運命」に沿って作品を展開させるのが特徴です。
初期作品は特にその傾向が強く、「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」などでは主人公の男女それぞれに決められた運命があり、簡単にハッピーエンドにはならない、切ない終わり方の作品が非常に多かったです。
代表作となった「君の名は。」も、当初は最後のシーンでお互いに気が付かないまますれ違って終わる予定だったというから驚きですよね。
それを考えると、やはりそれぞれの「運命(=本人たちの努力や選択では決して覆らないもの)」に沿ってお互いに人生を歩んでいくような展開が好みであることが伺えますね。
それに対して、細田守は「選択と成長」を展開に組み込むのが特徴です。
「おおかみこどもの雨と雪」では花・雨・雪それぞれがどう生きるかの「選択」を描き、「サマーウォーズ」では世界的危機に対して主人公が立ち向かい「成長」する過程を描いています。
主人公が自分自身で未来を選択して切り開くことで運命すら変えていき、本人も成長していくような展開が好みであることが伺えますね。
②取り扱う題材・描きたいシーン
新海誠は「恋愛」をテーマとして扱っている作品が多いです。
「君の名は。」「言の葉の庭」「天気の子」など、メインとなる男女がおり、お互いに作中で好意を抱いていくような展開が多く見受けられます。
そのため、主人公は男女であることが多く、物語を通して二人の関係性がどう動いていくのかを見守るような作風が特徴です。
また、作中においてはおそらく監督が表現したい「見どころ」と思われるセリフや映像が多くあり、話の展開がそのシーンをめがけて作られているような印象を受けます。
それに対して、細田守は「家族・親族」をテーマとして扱う作品が多いです。
「時をかける少女」「サマーウォーズ」などやや恋愛要素が入る作品もありますが、「サマーウォーズ」はメインでは家族・親戚一同の団結力を描いており、「バケモノの子」では親の代わりともいえる熊徹と出会い強くなっていく九太の成長を描いています。
赤ちゃん~高校生までの子供が主人公になる作品が多く、その年頃の子供にとっては、家族やその代わりとなる存在は必要不可欠でもあります。
家族や親族の中での主人公の心の変化を描き、一皮むけて成長するようなシーンを描きたいのだと感じさせられます。
検証の結果、作風は対照的な部分が多く違いがはっきり現れましたね。
お二人とも、高校生くらいの多感な時期の少年少女を主人公として描く作品も多い中で、主人公の成長や変化をお互いにそれぞれの視点から物語としていることが伺えます。
絵(作画)の比較
続いてアニメ映画に欠かせない絵(作画)部分の比較をしてみましょう。
お二人の絵は似ているという意見も非常に多くみられます。
まずは絵柄のおさらいです。
①新海誠の作画(絵)
新海誠の作品で一番新しく、2019年に公開された映画「天気の子」のビジュアルです。
新海誠は風景描写に定評があり、初期の作品~最新作に至るまで、景色や風景などの美しい描写が特徴です。
空や桜、新緑の自然はもちろん、ビル群などの風景描写はアニメ映画と分かっていても見入ってしまうほどです。
人物描写については初期作品~最新作品まででばらつきがありますが、最新作を見てみると比較的アニメ感の強い絵柄であることが伺えますよね。
大き目な目やツインテールなどの髪形、主人公が着ている服等、いい意味でリアルよりアニメ的な要素が強いなと感じました。
②細田守の作画(絵)
続いて細田守の絵柄を見てみましょう。
細田守作品は初期より絵柄が安定しており、大きな変化はあまりないと感じます。
「萌え」っぽいアニメ要素は薄いですが、人物描写においてはまつげなどがない縦長な目や全体的に華奢な体つきなどが特徴で、細田守監督独特の絵柄があることが伺えますよね。
また、同監督の作品は人物に影の描写がないのも大きな特徴で、浮世絵など影のない日本絵画の表現法に感銘を受けたことから、人物描写においては影をつけていないようです。
筆者は言われるまで全く気が付かなかったのですが、それだけ違和感なく絵を表現できるというのはすごいですよね。
絵が似てる理由と関係性を調査!
洪水神話については、新海誠『天気の子』も参照しているのかな? 主人公が島育ちである辺り踏まえると、むしろ『火の鳥 望郷編』や『日本沈没』と同じく南島の津波神話になるのか。
— アトレイデス21 (@atoreides2) October 1, 2023
全体的な絵の雰囲気としてはあまり共通点がないようにおもえましたが、それでも似ているという意見が多いのはなぜなのでしょうか?
似ているといわれる理由を考察してみました。
①夏の空・雲の描写
新海誠は全作品において風景描写に力を入れています。
作品により風景は異なりますが、近年発表された「君の名は。」「天気の子」はいずれも夏の時期を描いた作品であり、特に空の描写が印象的でした。
そして、細田守に関しても全作品において「青空」と「入道雲」をポスタービジュアル等に入れています。
夏の季節を描いた作品も多く、青空と白い大きな入道雲のコントラストがどの作品でも印象に残ります。
新海誠が一躍有名になったのは「君の名は。」ですし、似ているといわれる理由の一つに、「夏の空と雲の風景描写が作品イメージとして被る」ということが挙げられるのではないかと思いました。
②実際にある場所・風景のリアルな描写
新海誠・細田守いずれも実際にある街・土地等を作品の中でリアルに描いています。
また、作品の舞台は国内であることが多く、地方都市が作品のモデルとして多数取り入れられています。
例えば、新海誠は「言の葉の庭」・「君の名は。」・「天気の子」の作品で東京都の新宿駅周辺をかなりリアルに描いています。
「君の名は。」ではヒロインの地元として岐阜県の飛騨高山が出てきますし、「秒速5センチメートル」では栃木県小山市・鹿児島県種子島が劇中で表現されています。
細田守に関しても、「おおかみこども雨と雪」では東京都国立市周辺を、「バケモノの子」では渋谷駅周辺を建物含めリアルに表現しており、「サマーウォーズ」では長野県の上田市が、新作である「竜とそばかすの姫」では高知県がヒロインの舞台として取り扱われています。
実際に存在している建物や地名をリアルに描いているという部分では、二人の作品は大いに似ていると言えますよね。
こういった部分もイメージとして被る理由の一つではないかと思います。
二人の関係性は?
調べてみましたが、二人の関係性で特筆すべき点は見つけられませんでした。
漫画家で絵が似ている場合等は、同じ先生のアシスタントをしていた経験があるなど共通点があることも多いですよね。
お二人に関しても、同じアニメーション会社に所属していた等の共通の背景があるかと思いましたが、調べてみた限りそういった情報はありませんでした。
二人とも今の現代日本を代表するアニメーション映画の監督ということから、関係性について気になる人が多いとおもいますが、ないことがわかりました。
新海誠と細田守は見た目が似てる?!
新海誠と細田守。結構似てる。 pic.twitter.com/htIVUNV7DV
— 一ノ瀬結絃 (@ichinose_tit) July 12, 2018
新海誠と細田守はそもそも外見が似ているという声もありました。
確かに、黒髪に眼鏡で優しそうな感じがそっくりですね。
ちなみに、新海誠は 1973年2月9日生まれの48歳、細田守は1967年9月19日生まれの53歳です。
年齢も比較的近いことを考えると、似ているというのもどこか納得ですね。
新海誠と細田守の作品の違いを比較!絵が似てる理由と関係性を調査!まとめ
新海誠作品、2作品くらいしか見てないけど終わり方?主人公たちの再会の仕方が「こうあってくれ!」をどストレートに叶えてくれるから好き
— 星野 零🫧 転生小説書け (@hosino_z) October 1, 2023
今日は「新海誠と細田守の作品の違いを比較!絵が似てる理由と関係性を調査!」というタイトルで、新海誠と細田守の作品の違い・関係性について比較・調査してみましたが、いかがでしたか?
お二人とも毎回新作映画が発表されるたびに話題になり、今や日本を代表するアニメ映画監督ですよね。
作品の違いという部分については、物語の展開や書きたいシーンについてはそれぞれ異なることがわかりましたね。
逆に、絵に関しては扱っているテーマの部分で共通点が多いことも分かりました。
細田守監督作品は、2021年7月に新作の「竜とそばかすの姫」が公開されることが確定しています。
新海誠監督は近年はほぼ3年ペースで新作を公開しており、前作が2019年だったため、新作は2022年ではないか?と期待されています。
これから発表される作品もチェックして、お二人の世界観を存分に感じていきたいですね。
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